全額損金算入可能?!交際費の5000円基準を解説します

交際費5000円基準

ビジネスを行う上で、得意先や仕入先と円滑に取引を行うために交際費は必要不可欠な支出であるといえます。

そんな交際費の処理において、内容は交際費として計上すべきものであるけれど、交際費の損金不算入の計算に含めずに処理できる5000円基準というものがあります。つまり、全額損金算入可能な交際費ということです。

この記事では、交際費の5000円基準について、内容や適用方法を解説します。

こんな方にオススメの記事です
  • 税理士試験の勉強をしている方
  • 会計事務所に勤務している方
  • 個人事業やスモールビジネスを行っていて交際費について知りたい方
この記事でわかること
  • 交際費の5000円基準の内容
  • 交際費の5000円基準の会計処理方法
  • 交際費の5000円基準を適用するためにはどうしたらいいか。

交際費の5000円基準とは

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。

出典:タックスアンサー No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算(国税庁)

交際費に該当する費用については、資本金や出資金の金額に応じて損金不算入規定が設定されています。

交際費の5000円基準とは、以下の条件をどちらも満たす支出については、その内容が交際費に分類されるものであっても交際費の損金不算入の計算から除くことができるというものです。

5000円基準の適用条件
  1. 飲食その他これに類する行為のために要する費用
  2. その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用

なお、5000円の基準は消費税を税抜処理としている場合には税抜金額、税込処理としている場合には税込金額での判定となります。

5000円基準を適用することで、交際費の損金不算入の規定を受けることなく損金算入することができます。つまり、資本金100億円超の法人であっても接待交際費的な支出を損金算入することができるようになります。

▼交際費についてはこちらの記事で全体像をまとめています。よろしければご参照ください。

交際費

交際費の5000円基準を適用した場合の会計処理

交際費の5000円基準を適用する場合の会計処理は以下の2種類が考えられます。

①接待交際費で処理

1つ目の方法は通常と同じく接待交際費で処理する方法です。

5000円基準を適用していても内容は接待交際費に該当するものですので問題ありません。

一方で、最終的に交際費の計算には含めずに損金不算入の計算を行うため、5000円基準を適用する支出について別途集計できるように記録に残しておく必要があります。

②会議費で処理

2つ目の方法は会議費で処理する方法です。

元々交際費と会議費の区分は曖昧な部分があり、5000円基準を適用した場合には会議費として処理することが可能です。

この方法を用いることで、接待交際費とは勘定科目を分けることができるので交際費の損金不算入計算を行う際に手間が減ります。

個人的にはこちらの処理方法がオススメです。

交際費の5000円基準の適用方法

既に記載した通り、交際費の5000円基準を適用するためには以下の2つの要件を満たす必要があります。

5000円基準の適用条件
  1. 飲食その他これに類する行為のために要する費用
  2. その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用

更に、これに加えて以下の事項を記載した書類を保存することが求められています。

5000円基準のための記録事項
  • 飲食等のあった年月日
  • 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
  • 飲食等に参加した者の数
  • その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名または名称、住所等)
  • その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項

この必要事項については、リストにしてエクセルといったスプレッドシートで記録する方法や、レシートや領収書に不足している情報を書き加えるような方法が考えられます。

個人的にはスプレッドシートでリスト化する方法が検索もできますしわかりやすいかなと思いますが、管理しやすい方法で記録を保存しておきましょう。

おわりに:小さな積み重ねを逃さない

接待交際費はある程度自分でコントロールできる費用であるため、税金圧縮につながる恐れがあり、そのため様々な規定が置かれています。

5000円基準は記録に残して保存するという手間がかかりますが、法人の規模に関わらず全額損金算入可能となる節税効果があるので、しっかりと記録集計しておきましょう。

金額は小さくてもこのような積み重ねが節税や財産構築につながるのです。

どこかの誰かのお役に立てば幸いです。

編集後記

今日から保育園が再開しました。久々に日中1人となったのでカフェで仕事をしています。

息子は6日ぶりの保育園で、朝は少し寂しがっていましたが、良い天気ですしきっとお散歩に行って機嫌を直してくれているでしょう。

妻が仕事で遅くなるため夜は再びワンオペです。息子と仲良く過ごしたいと思います。

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