【読了記録】税金を払う奴はバカ!【#012】

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税金を払う奴はバカ!

非常にショッキングなタイトルです。

誰しも義務教育を受けている際に納税は国民の義務ということを学んでいます。

それをこの著者は真っ向から非難しています。そして驚くべきことに、なんとこの著者は国側として税金を徴収する役目を担う、元国税調査官なのです。

しかし読み進めてみると、確かになるほどと、何も考えずに税金を払い続けるのは、政府に良いように搾取されているのではないかということが良くわかる。

当記事では、なぜ税金を払う奴がバカなのかという点、そして税金を払わずに済むためにはどうしたら良いか、本書で印象に残った点を紹介します。

本書はこんな内容です
  • 現代の日本で税金を支払うことがいかに無意味かを解説
  • 中小企業での節税策を解説
  • サラリーマンの節税策を解説

税金を払う奴はバカ

「税金を払う奴はバカ!」というタイトルには、二つの意味が込められている。

一つには、今の日本で税金を払っても、全然、国や社会のためにはならない。

それどころか、税金を払えば払うほど国が悪くなっていく。

どういうことかというと、今の日本の税制や財政は、矛盾の極致に行き着いていて、ごく一部のものだけがいい思いをし、大勢の人を苦しめるばかりのものになっている。

はじめに、より

大学を卒業して社会に出て早10年。社会との繋がりが濃くなるにつれて、税金を支払っている総額が年々増えていくにつれて、本当に税金は社会のために使われているのかという疑念は増加していきました。このように元国税調査官の方にはっきりと言われると、疑念が確信に変わるような気がします。

何より驚くべきことは、この書籍が発売されたのが2014年と、8年も前だということです(※2022年に改訂版が発売しています)。つまり、8年前から既に税金の使われ方は問題視され、「税金を払う奴はバカ」とまで言われてしまっているのです。

我々は一体何のために税金を支払っているのでしょうか。

「税金を払う奴はバカ」のもう一つの意味は、税金を黙って払っている人たちは税金のことを全く知ろうとせず、節税策をまったく講じていないという事実がある。サラリーマンであっても、税金を減らす方法はいくらでもある。それをせずに、生活が苦しい、苦しいとばかり言っているのである。

引用:はじめに

これは単に源泉徴収制度による弊害だと考えています。

サラリーマンの所得税は源泉徴収制度により毎月給与から天引きされます。住民税も特別徴収制度により同じく給与から天引きされます。そのため、税金を支払っている感覚を持てないまま、知らず知らずのうちに多額の税金を支払ってしまっているのです。

これも国の計算によるものだとしたら本当に恐ろしいことだと思います。国としては節税策など講じずに言われるがままに支払ってくれる方がもちろん都合が良いので、このように実感し辛い制度としているのではないでしょうか。現に給与が支給されても給与明細など見ずに、自分がどのくらい給与を支払っているか確認しないままの人も私の周りにも数多くいます。残念ながらそのような方々が国に食い物にされてしまっていることは否定することはできません。

税金を払わないという意思表示

本来、民主主義というのは、選挙で国民の意思を示すものである。

しかし、いいリーダーに投票しようにも、現在、この事態を本気で切り抜けようと考えているリーダーは、ほぼ皆無と言える。だから、選挙で我々の意思を示すことはできないし、国をよくすることもできないのだ。

そんな中で、我々はでき得るかぎり税金を払わないことで、政府にプレッシャーをかけ、本気で将来のことを考える国にしていくことである。

引用:あとがき

初めに断っておきますが、本書の筆者も私も脱税を推奨しているのではありません。脱税は犯罪であるので絶対にダメです。あくまで、法律の許す範囲での節税をすべきだと筆者は主張しているのです。

確かに現在の社会システムで余計な税金を支払うことは無意味であるので節税できるところはすべきだと思います。しかし、政府には新たな税制を策定する力もあるため、例え税収が少なくなったとしても、考えを変えて国民のためになるような動きをするのではなく、増税や新たな税制により税収を増やそうと画策するのではないでしょうか。

そうなってしまうとイタチごっこで一向に生活は楽になりません。

やはり国に意識してもらうには選挙に行くことだと思います。少し本書の本筋からはズレた話となってしまいますが、選挙にしっかりと行き、年代別の投票率をあげることで国へ意思表示することが一番だと思います。

その上で節税できるところは節税し、快適に生活できるように行動することが望ましいかと思います。

基本は会社の経費で落とす

中小企業が税金を安くする場合、もっとも手っ取り早い方法は「公私混同」である。

つまりは、私的な支出をどれだけ会社の経費で落とせるかということである。

中小企業の場合、経営者が会計の全ての権力を持っていることが多いので、大企業よりも機動力はある。

その機動力を生かして、なるべく多くの「公私混同」を行うのである。

引用:第2章-中小企業は税金を払わなくていい

税金を減らす方法としては、極論全て同じ考え方に帰結します。つまり、売上を減らして経費を増やすことです。売上を減らすことは中々自分でコントロールすることは難しいので、結局のところいかに経費を増やすことができるかがキーとなります。

その点について、本書ではなるべく多くの「公私混同」をすることを推奨しています。つまり、プライベートで使用するものについても会社の経費で支払うのです。

ただし、プライベートでしか使用しないものは会社の経費で支払うことはできません。完全なる公私混同をすることはできないということです。多少なりとも会社や事業で使用するものという理由付けが必要となります。

物品だけでなく、交際費を使用した飲み会代金の支払い方法や、福利厚生費を使用した旅行代金の支払い方法が紹介されていました。どれも違法ではなく、しっかりと記録に残すことができれば会社の経費で落とすことができる費用です。

知れば知るほど、中小企業にはかなり経費の自由度が高い制度となっているようです。サラリーマンをやっていると中々知ることができないことばかりなので、こんなに経費で支払うことができるのかと、多くの読者は驚くことが多いかと思います。正直やってられないと思います。

中々身近なものではありませんが、会社というハコは、上手く使えば非常に有用なお財布となってくれそうです。

おわりに

本書を読み進めるにつれて、どんどんと税金を払いたくなくなってきました。

もちろんインフラ整備など、税金が社会を成り立たせる上で重要な役割を担っていることは十分に理解しています。しかし本書の内容が事実であれば、我々が心身を削って稼いだお金から支払った血税が、あまりにも無意味な使われ方をしています。

ただ、本書で紹介されている節税方法は個人事業主や会社経営者だからこそできるものが多く、サラリーマンには難しいように見受けられました。

サラリーマンは確かに収入が安定していますし、社会的な信用もあります。しかし、増税や社会保険料の増加で手取りはどんどん減ってしまい、収入を自分でコントロールできる余地が極めて低いというデメリットもあります。

自分のビジネスを持ち、個人事業主や会社経営者として独立する。時間的な自由だけでなく、経済的な自由を享受するためには、そういった選択が最善であるように思えてならないと感じられる一冊でした。

どこかの誰かのお役に立てば幸いです。

シェアしてもらえたら嬉しいです

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