先日、人生で8回目の引越しをしました。
賃貸契約での頭金は、敷金、礼金、初月賃料、仲介手数料など、通常家賃の4~5ヵ月分が一度に発生します。
今回の引越しでは契約前に頭金を支払うように要望されたのですが、正直契約前に支払うことに対しての不安感がありました。
そこで、このような支払いの流れはそもそも一般的なのか、そしてなぜこのようなプロセスとなっているのかを調べてみました。
Contents
なぜ契約前の入金を求められるのか
結論としては、賃貸契約において契約前に入金を求められるのは珍しいことではないようです。
それは不動産業界特有の取引慣行が影響しています。
通常の商取引は、商談→契約→商品サービス提供→入金という流れが一般的です。
契約書の内容をしっかりと確認しないで、万が一自分に不利な内容があった場合、入金済みだとトラブルの元となってしまうため当然ですよね。
ではなぜ不動産業界では一般的な慣習として存在しているのでしょうか。
キャンセルリスクを減らすため
1つ目の理由は、契約するまでは借主有利であるため、キャンセルリスクを減らす目的です。
通常物件の契約段階まで進むと、既にクリーニングや鍵交換の手配、契約書の作成が行われており、オーナーや管理会社にとってはコストや作業が発生してしまっている状態です。
契約前であれば、顧客側は自分の意思でキャンセルすることができ、更にキャンセル料も発生しません。
そのため事前に入金してもらい、ある種の契約の意思確認を行っています。
更に実際にお金を支払わせることで心理的にもキャンセルしにくくしている面もあります。実際に入金してしまった後だと、契約段階で少し気になる点があっても、そのまま契約が進みがちですよね。
ただし、契約前の入金は「預け金」という扱いになるはずなので、もし契約内容に納得いかず、契約を締結しなった場合には返金されるのが通常です。
こちらについては事前にしっかりと仲介会社や管理会社へ確認しておきましょう。
売上を早めに上げたいため
2つ目の理由は、売上締め日との関係です。
不動産業界は歩合制の会社も多く、締め日との関係で、早めに売上計上することに対して会社としても営業マンとしてもインセンティブがあるため、早い段階での入金を望む傾向が多いようです。
厳密に言えば本来の売上計上は契約時となるはずですが、入金のタイミングを売上としている業者も多いのではないかと思われます。
それもあって、ある程度契約手続きが進んだ段階での入金を要望されます。
契約時の大金持参を回避するため
3つ目の理由は、事務手続き上の関係です。
賃貸契約の頭金は、通常家賃の4~5ヵ月分が必要となり、数十万円程に上ります。
契約時にそれを現金で持参する場合、借主側は多額の現金を持ち歩くリスクがありますし、貸主側も持参された現金の管理保管や、金融機関への入金処理といった、事務手続上の負担が生じ、双方にデメリットが発生してしまうことになります。
そのため、契約前に入金を求められることが多いのです。
それでも不安のある方は
とはいえ、引越しの頭金と言えば大金です。まだ契約内容すら確認していない状況で、多額の金銭を支払うのは不安が生じて当然です。
契約前に入金することに不安がある方は、契約したタイミング、もしくは契約後の入金にしてもらえないか仲介会社や管理会社へ相談してみましょう。
そして、事前に契約書を確認することも大切です。
いくら契約に納得がいかなかった場合には返金可能とはいえ、契約段階まで進んでしまうと断りずらいのが人情ですからね。
事前に入金してから契約という流れは明確に法令で規定されているわけではないため、事前に契約書を確認できたり、契約後の入金という対応としてくれる可能性は十分にあります。
今回の私の引越しのケースでは、契約前の入金という形は変更できませんでしたが、事前に契約書を確認することができたので、契約内容に納得した上で支払うことができました。
これも仲介会社を通して要望した結果なので、ダメ元でも気になる点は相談してみると良いと思います。
まとめ:気になる点は事前にしっかりと確認しておく
不動産関係の契約は、1回の契約で動く金額も多額で、かつ人生で経験する回数も少ないものですし、契約内容も物件によって様々です。
そのため、慣れない事ばかりで不安も数多く沸いてくるかと思います。私はそうでした。
後々のトラブルを防ぐためにも、細かいことであっても気になる点は事前にしっかりと確認しておくことが重要です。更にはできる限りメールなどで記録に残すことも大切です。
契約後だと、既に時遅しとなってしまう場合も多いですからね。
どこかの誰かのお役に立てば幸いです。
コメントを残す