本書を読んだきっかけは、これまで全く知らなかった不動産投資の世界を知り、知見を増やして視野を広げたいと思ったからです。
はい正直に言います。不労所得が欲しいからです。
不動産投資には前々から興味があったものの、知識は全くなく、まずは何か1冊と思い手に取ったのが本書でした。
内容としては、発行年が2016年なので少し情報が古い部分もありましたが、私のような不動産知識ゼロの初心者でも読みやすく、物件の選び方から運営の仕方、収益率を上げる方法まで非常に詳細に紹介されていました。
読後の素直な感覚としては、「不動産投資はそんなに甘いものではない」というものでした。はい、わかっていたことではありますが。不労所得への道は険しいです。
ですが、不動産投資がどんなものかをとてもよくイメージすることができるので、興味がある方は読んでおいて損はない1冊かと思います。
今回は、本書より印象に残ったことや考えたこと4項目を記事にしました。
- 不動産投資に興味がある
- 不労所得がほしい
- アパート経営をしてみたい
不動産投資はビジネスである
不動産投資は「事業」であるということを忘れずに、物件は数字でしっかり判断しましょう。
引用:本書 26-物件に惚れるな!難があれば深追いは禁物
本書を読んで最も強く感じたことは、不動産投資とは「ビジネス」であるということです。
不動産投資は不労所得の代表格のように言われることが多く、なんとなく不動産を保有してしまえばその後は何もしなくても所得が入ってくるように思いがちです。
しかし、一件一件の物件運営がそれぞれ立派な事業として成り立っていることに、まずは認識を改めなくてはいけません。
購入するためには現地で調査を行い、入居者のターゲットを決めて、物件の品質を高めて、入居者の満足度を上げて長く居住してもらう。正にビジネスをする上で全ての要素が詰まっているように思えました。
しかも、初期投資は数百万円から数千万円単位と、かなり大きな金額を扱うビジネスです。
不動産投資はローンを組んで行うことが多いようですが、冷静に考えて一千万円以上のローンを組んで新規ビシネスを行うというのは、かなりリスクも存在するのかもしれません。
このような点から、期待をしていた方には残念だけれど、不動産投資はそんなに甘いものではなく、事業として本気で取り組む必要があるものであるということがわかりました。
不動産投資は不労所得なのか
いい物件を購入するために情報収集は欠かせませんし、これはと思ったら下見に行き、現地でさらに生きた情報を集め、売主との値段交渉をし、融資を取り付けるために銀行と渡り合ったりというのは、非常に大きなエネルギーを使います。
引用:本書 5-不動産投資は「自動操縦」ができる
不労所得とは読んで字のごとく、労働なしに所得が手に入ることを言いますが、不動産投資は本当に不労所得なのかと疑問符が生じました。
引用した文書からもわかるように、不動産投資を行うために結構やることが多いです。
軌道に乗るまでは物件探し、管理会社探し、売却価格交渉、リフォーム企画、リフォーム会社手配などなど、やるべきことはきりがありません。
物件を購入して入居者が入り、ある程度軌道に乗れば不労所得になるのかもしれません。しかし、常に空室リスクとも隣り合わせですし、物件や入居者のトラブル対応や意思決定など、購入すればその後は所得が入るのを待っているだけという状況とはいかなそうです。
物件を購入する前も購入してからもやることだらけのようです。
これだけたくさんのやることがある不動産投資は、果たして不労所得と言えるのでしょうか。
不動産投資を行うのであれば、このようなリスクややるべきことが存在していることを認識する上で取り組む必要がありそうです。
重要なのは不動産投資が自分に合っているかどうかだと思いました。やるべきことがたくさんあって完全な不労所得とも言いづらい以上、自分に合っていないと続けることはできません。取り組んでいて楽しいと思えることが成功する上で非常に重要な要素になるのではないかと感じました。
経営は爆発だ
どういう空間にしようかなと考えるのは、自分の意見がそのまま反映されるのでやりがいがあり、楽しい作業です。
引用:本書 56-自由な発想による「空間の企画力」が大事
筆者の戦略は、地方や築古のアパートを一棟買いし、リフォームして賃貸経営をするというものです。
そのため、 自分の考えで部屋をリフォームするというクリエイティビティな要素を避けて通れません。
自由な状態で自分の思い通りに取り組む行為というのも、合う合わないが非常に大きい行為だと思います。楽しい人にはとても楽しいけれど、合わない人には苦痛でしかないことだと思います。
しかし、このクリエイティビティ、つまりは創造性という要素は、現代においてはどんなビジネス、どんな仕事においても重要な要素であることは間違いないです。
何事でも価値があるのはゼロから創り出したものです。
基本的にたいていのものが手に入る現代においては、他でも足りるものは敢えて選ぶ理由が必要になります。選ばれるためには差別化が求められるのです。
頭を振り絞って選ばれるための方法を考え、それを実行に移して実現させる。不動産投資だけではなく、この世の中全てに共通して必要となる要素ではないでしょうか。
焦りは禁物という真理
物件はいくらでも、あとからあとから出てきます。
引用:本書 26-物件に惚れるな!難があれば深追いは禁物
不動産投資だけではなく、人生全般で重要な考え方ではないかと感じました。
何か取り組んでいると、ついついこれまで費やした労力の元を取ろうと思ったり、もうこれ以上探すのが面倒になって妥協してしまいたくなることは誰しもあるかと思います。
また、本当は納得していない部分があっても、いいように解釈して決定する理由を無理やり自分に言い聞かせてしまうこともありがちです。これは心理学用語で「正常性バイアス」といい、誰しも陥りがちな思考のクセのようなものです。
このようにして決めた選択は、本当は気になる点にフォーカスしないようにしていただけで、後々やっぱり止めとけばよかった、などと後悔しがちです。
こんなときには焦って決める必要はありません、何事も「あとからあとから出てくる」のです。
重要なことを決めるには非常に労力がいります。ですが重要なことにこそ妥協しないで納得いくまで探し続けることが必要となるのです。
これは不動産投資だけでなく、転職であっても買い物であっても、何事にも言えることではないでしょうか。
自分が長く使うもの、付き合うものこそ、時間をかけて妥協しないで選ぶようにしたいですね。
おわりに:本気にならなきゃ選ばれない
冒頭で述べた通り、不動産投資は不労所得ではなく、立派なビジネスなのだと痛感しました。
本書の著者は足も頭も最大限に活用して収益物件を見つけ、そして経営者としての意識や視点で物件管理を行ない、不動産投資を成功させています。
これは決して片手間でできるものではなく、本気で取り組んでいるからこその結果です。
でもそれって不動産投資の話だけではないのかもしれません。
何事も本気でやっている人には勝てません。不動産投資はお金が発生する分、それがよりシビアになっていますが、本気で取り組んでいる人は選ばれて、適当にこなしている人は見透かされてしまいます。それはどの世界でも共通のルールです。
そしてきっと楽しめなければ本気になれないし続けられないと思います。著者は不動産投資が好きだからこそ、ここまで続けることができ、そして成功することができたのだと思います。
お金を稼ぐ手段は不動産投資だけではありません。不動産投資に限らず、まずはそれぞれ自分が本気になって楽しめるものを追求することが重要なのだと思います。そんなものがビジネスに発展して自分を助けてくれるのかもしれません。
どこかの誰かのお役に立てば幸いです。