FIREという言葉を多くの場面で耳にするようになった今日この頃。資産運用への敷居はどんどんと下がり、米国株式を中心とする投資人気は非常に高くなっています。
一方でマンション価格は上昇の一途を辿るなど、不動産投資もまだまだ活況の様相を呈しているようです。
そんな不動産投資に関する書籍第2弾として手に取ったのが本書「300万円を2年で3億円にしたサラリーマンのドキドキ不動産投資録」です。
著者はサラリーマンを続けながら兼業投資家として主に築古1戸建て投資を行っており、その投資録が数多く紹介されています。
非常にわかりやすく、そして読みやすく書かれており、まるで自分が投資を行ったような気分で、臨場感たっぷりの不動産投資録を読むことができました。
- 多数の不動産投資録を知ることができる
- 不動産投資はどの物件も一筋縄ではいかない
- 情報を得るには行動するしかない
不動産投資は人への投資?
どう考えてもプラスの話をしてるのに、論理的に動かないということが世の中にはあるのだなと痛感しました。
引用:本書CASE12
本書で数多く紹介されている不動産投資録を読んで感じたのは、不動産投資は人と人とのつながりが欠かせない、非常に人間味のある投資なのだという点です。
それは不動産仲介業者であったり、投資した不動産に居住する方々であったり様々ですが、不動産投資は人がいないと成り立ちません。
買う人がいるので売れるのであり、住む人がいるので賃料をいただくことができるのです。
対象となる不動産の情報も人づてで得たものが確実かつ有益です。現代はネット経由で情報をいくらでも手に入れることができますが、それはあくまで誰かの考えや感覚が混在された、2次3次情報です。人から直接得た1次情報の正確さには到底及びません。そして不動産投資で成功するためにはそのような1次情報が非常に重要となります。
昨今の情報化社会においてもウェットな関係性や論理を超えた感情での人付き合いが重要となる。そんなところにも不動産投資の面白さがあるのかもしれません。
運は行動の結果もたらされる
大事なのは、勇気と根気、行動力、そしてあとは運とか、人の縁に尽きると思います。
引用:本書CASE13-column13
様々なことに言えることですが、不動産投資にももちろん当てはまるようです。むしろ、行動したからこそ得ることができる運や縁も非常に多く存在していると思われます。
前述の通り、不動産投資では生の1次情報をいかに得ることができるかが重要となります。
そんな1次情報は残念ながらネットには転がっていません。ではどこから得ることができるのでしょうか。やはり人づてだったり事実をベースに自分の頭で考えた結果によるのでしょう。
そしてそれは本書にあるような、勇気や行動力、そして運や縁によってもたらされるのだと思います。
投資に対して運や縁などと言うと元も子もないかもしれませんが、人生においてはそんなことが最後の重要なキーになるのかもしれません。
まずは第1歩を踏み出す
不動産投資家として、さまざまな経験をしてきた今だからこそ言えるのは、「とにかく物件を持っておくと、いろんなことがおきますよ」ということです。逆に、持たないと何の可能性もありません。
引用:本書CASE15
新しいことを始めるのは何事も勇気がいります。では不動産投資で最初の一歩を踏み出すのに躊躇する理由は何でしょうか。
要因の一つとして、多額のお金が必要となるということが挙げられます。
不動産投資ではローンを設定して投資を行う場面も数多くあるかと思います。
ローンでの投資は、レバレッジを効かせられるという意味でプラスに働けば持出し資金の何倍もの効果を得ることができますが、マイナスに働くと悲惨です。リターンは期待できますが、それに対するリスクももちろん存在しています。
そんなことを考えて躊躇する気持ちは非常によくわかります。私もそんな理由から最初の一歩をまだ踏み出せていません。
ではそんな不安を解消する方法は何でしょうか?
それは「知識を得ること」そして「行動すること」だと思います。
何か新しいことを始めるためには、まず最低限の知識を得ることが重要です。特に不動産投資のような情報の非対称性が顕著な分野の場合、ある程度の知識がないとすぐにカモにされてしまう可能性もあります。
その一方で、知識だけあっても成功を手に入れることはできません。成功するためには行動が伴う必要があります。
前述の通り、不動産投資は一次情報が非常に重要となりますが、残念ながら1次情報は本やネットから得ることはできません。そのために重要となるのが「行動力」です。自分の脚を使って地道に行動を繰り返し、縁と運で得るしかありません。そしてそんな縁と運も行動しなければ決してもたらされません。
知識だけあっても有益な情報を得ることはできませんし、行動力があって情報を得ることができても知識がなければ正しい判断をすることはできません。
結局のところ、「知識」と「行動力」のバランスが重要なのだと思います。
おわりに:不動産投資を擬似体験
筆者の不動産投資録が写真も交えて詳細に紹介されているので、あたかも自分が不動産投資を行っているような感覚で読む進めることができる書籍でした。
まだ不動産投資を行ったことがない初心者に、不動産投資とはどういうものか、不動産投資を行うと何が起こるのかを知ることができるという点では非常に有意義な書籍ではないかと思いました。
何よりも、不動産投資は決して順風満帆なものではなく、どの物件もひと癖もふた癖もあり、ハプニングがつきものということが非常に良くわかります。
不動産投資の最初の一歩のそのまた一歩を知るための1冊として、手にとってみてはいかがでしょうか。
どこかの誰かのお役に立てば幸いです。